株式会社シロップ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:大久保泰介)は、本社オフィスのリフォームが完了し、日本一ペットフレンドリーなオフィスが完成したことをお知らせします。内装設計は一級建築士で家庭動物住環境研究家の金巻とも子氏にご協力いただき、人や犬の動き、音や臭い・湿度調整に配慮した執務スペースから、キャットウォーク・キャットタワーを完備した猫専用ルームまで、社員もペットも快適な職場環境を実現しました。シロップは2019年を「ペットフレンドリー元年」と位置付け、ミッションとして掲げる「人が動物と共に生きる社会をつくる」の実現に取り組んでまいります。
完成したペットフレンドリーオフィス
エントランス
お客さまをお迎えするエントランス正面には、臭い成分の吸着機能を持つ壁材を使用。ペットのいる場所ならではの臭いを感じさせません。
執務スペース(メイン)
メインの執務スペースでは、壁と天井に調湿と殺菌性能のある仕上げを施し、床一面に犬が滑りにくい床材を使用。天井には一面に吸音パネルを貼り、犬が吠えた際の音の反響を軽減させています。
執務スペース(サブ)
休憩や少人数での会議など多目的に利用できるサブの執務スペースでも、メインと同様に滑りにくい床材、天井に吸音パネルを使用しています。さらに、執務空間の犬の避難スペースとしても機能するように、湿度調整の機能をより高くし、暑さに弱い犬の涼のための床も確保しています。
撮影スタジオ
お客さまとその愛犬・愛猫をお招きして撮影することもある撮影スタジオでも、壁と天井には殺菌消臭と調湿機能を持たせ、天井に吸音パネルを一面に設置。ベンチには丸穴が開き、緊張している子を落ち着かせる待避スペースになります。
撮影で使用しない際は、2段式のウォールベッドやベンチで社員がリラックスしながら仕事ができる執務スペースにもなります。
猫専用スペース
猫専用スペースにはキャットウォーク・キャットタワーを設置。猫の隠れ家機能であると同時に、猫がさまざまな体の動きができるアスレチック機能もあります。壁面全体に殺菌・消臭と調湿の機能がある漆喰を使用しています。漆喰は静電気を帯びないので、壁への抜け毛やアレルゲンの付着を防止し、猫を起因とした人の健康被害も軽減をします。猫の人とのふれ合いの動線とリンクしたデスクやミーティングスペースも備え、社員が愛猫と共に働くことができるようになっています。
ペットフレンドリーオフィス着工の背景
シロップは、「人が動物と共に生きる社会をつくる」をミッションに掲げ、2015年3月に創業したペット関連サービスを展開するペットテックスタートアップです。事業拡大に伴う人員増加に伴い、2019年1月に本社を目黒(品川区上大崎)に移転しました。
社員全員が犬か猫の飼い主であるため、以前からペットを連れて出勤したいという要望が出ていました。しかし実現には問題点も多かったため、オフィス移転を機に、人にとっても犬や猫にとっても快適な職場環境を考え、理想のペットフレンドリーオフィスを作ることにしました。
ペットフレンドリーオフィスに求められること
1. 執務スペースに犬がいても仕事に集中できる環境であること
執務スペースに犬がいても仕事に集中できる環境を作るためには、吠え声の軽減や増加する社員犬たちを落ち着かせ、仲良くさせるための居場所の確保が必要でした。
2. 犬や猫にとって安全でストレスにならない環境であること
ミッションとして「人が動物と共に生きる社会をつくる」を掲げるシロップにとって、人の快適性だけでなく、犬や猫の快適性も重要です。それぞれの習性を考慮した上で、建材などのハードと、ルールなどのソフトの両面で検討することが必要でした。
3. 犬や猫が苦手なお客さまにも配慮されていること
ペットフレンドリーな社会とは、動物が好きな人のための社会ではありません。家族でありパートナーである愛犬・愛猫が社会の一員として認められるためには、犬や猫が苦手な人が不便さやストレスを感じないことが必要です。シロップのオフィスでも、その配慮をすることが前提条件となりました。
これらを実現するため、今回の内装設計は一級建築士で家庭動物住環境研究家である金巻とも子氏に依頼しました。
金巻とも子氏のコメント
家庭に犬や猫がいる環境と異なり、オフィスに犬や猫がいるという環境においては、犬猫の自然な生活活動を仕事場であっても阻害しない、なおかつ、執務する人の集中を犬猫の活動によって阻害されない、といったことが重要です。さらにシロップオフィスの特徴は、犬や猫たちがスタッフとして活動しながら、お客さまとしての犬猫の来訪もあることを考慮する必要がありました。そのため、家庭で設ける「隠れ家」を執務室空間にも設け、犬猫が自分で引き籠もる自由がある空間配置としました。また、来訪者の出入りの刺激が悪いストレスとならないよう、音の反響や臭いの定着を極力軽減をするために、内装材も消臭殺菌、音の反響を押さえる吸音素材や調湿建材を効果的に配置しています。これにより、人より快適温度が低く、湿気にも負担を感じやすいという犬猫の体に優しいだけでなく、執務中の人の快適性も向上させる工夫をしました。
動物はその環境によって性格や行動が左右されます。健康な空気を呼吸し、温度・湿度や光や音の刺激が適度にあること、体に負担無く自然に動けること、などの基本性能が環境として重要です。そして、犬猫の行動に影響する環境の8割は「人」であるという理解が大切です。犬猫の快適性を上げるには、人がその空間を健康で快適である感じている必要があります。そのために、空気環境の健全性はもちろん、人の執務中の集中を削いだりストレスとなるような音環境には特に注意しました。さらに、オフィスであっても人のリラックスと楽しみという快適性を上げるために、執務室にも自分の犬猫と二人っきりで引き籠もれる「隠れ家」スペースと、二人で飛んだり跳ねたりのはしゃぐ運動を体に負担無くできるようなスペースを確保するようにしました。今回の取り組みによって「人は、犬猫が一緒でも落ち着いて作業に集中でき、犬猫は人と安心して働くける環境」が実現できたと考えています。
※プロフィール※
金巻とも子:一級建築士事務所かねまき・こくぼ空間工房 主宰。一級建築士、東京都動物愛護推進員、家庭動物住環境研究家。NPO法人ANICE理事住宅や店舗の設計業務のほか、猫や犬などの家庭動物との健康な暮らしをテーマに、住環境コーディネーターとして活躍。日本建築仕上学会学会賞(技術賞)受賞。
なぜ「ペットフレンドリー」なのか
ペットフード協会の調査によると、2018年の飼育頭数は犬が減少し約890万匹、猫は微増し約960万匹となっています。飼育頭数が伸び悩む一方で、ペット関連の市場規模は拡大を続けており、1兆5000億円を超えます(矢野経済研究所調べ)。要因としてペットの家族化が挙げられ、生涯必要経費は2013年に犬が110万円、猫が82万円だったものが、2018年に犬が179万円、猫が112万円にまで増加しています。
ペットに対する価値観、考え方の変化は働き方や職場にも影響を与えており、ペット休暇制度を設けたり、まだ少数ではありますがペット同伴で出勤できたりする企業も増え始めています。アメリカでは会社がペットフレンドリーであることにより、「従業員のやる気が上がった」「従業員のストレス軽減につながった」「ワークライフバランスが改善された」「愛社精神が強くなった」「ペットを自宅で留守番させることへの罪悪感が軽減された」といった調査結果も出ています(※)。
シロップは、日本においても「ペットがより身近な存在になっていく流れ」は加速していくと考え、2019年を「ペットフレンドリー元年」と位置付けています。ペットフレンドリーな社会とは、ペットやその飼い主のためだけの考え方ではなく、動物が苦手な人のことも考えられた社会のことです。多様性が求められる社会の中で、今後「ペットフレンドリー」という考え方は重要なキーワードの一つになっていくと予想されます。
※関連記事:ペットフレンドリーな会社は離職率が低い!? 人事担当者が無視できない調査結果
シロップ代表取締役 大久保泰介より
シロップはペットライフカンパニーである以上、私たちのバディでありパートナーである犬や猫との働きやすいオフィス環境設計は必要不可欠だと考えました。これまでもペット同伴可能なオフィスはありましたが、犬や猫に配慮された設計なのかといえば、必ずしもそうではありませんでした。
シロップのミッションである「人が動物と共に生きる社会をつくる」にある通り、共に働く仲間たちが愛犬、愛猫とともにストレスなく働けることだけでなく、犬や猫自身もストレスがないこと、犬や猫が苦手な来訪者もストレスがないことが前提だと考えました。
私の愛犬コルクはチャイムの音に吠えやすかったのですが、ドッグトレーナー指導のもとでワークルールを設け、吸音材による音の跳ね返り防止も施しました。吠えないようにするソフト面と吠えても影響を最小限にするハード面という両面からの改善によって、働きやすい環境を実現しています。
シロップのオフィスは、「社員が働く場所」だけでなく、私たちの支えである獣医師やトリマー、トレーナーなどの専門家の方々、そして犬や猫と暮らす全ての方々が「集う場所」でありたいと思います。このオフィスから、仲間とともに、日本、アジアの犬や猫と暮らす飼い主の方の一つひとつのペットライフが豊かになるサービスを生み出していきます。
ペットフレンドリーオフィス完成後の社員の声
ペトこと編集部 編集長 山本(愛猫リズモ)
移転前のオフィスは入り口を開けるとすぐ執務室となり、脱走のリスクで猫を連れて行くことが難しい状況でした。今回、猫のことを考えた専用の部屋ができたことで、安心して連れて行けるようになりました。実際にリズモを連れて出勤したところ、金巻先生の設計通り、まずは「安心して隠れられる場所」で部屋に慣れ、気づくとキャットタワーで遊ぶようになっていました。「愛猫を連れて行ける」という選択肢があることは、猫と暮らす社員の働きやすさにつながると思います。
ペトこと編集部 バイヤー 南雲(愛犬はな)
はなは壊死性髄膜脳炎を抱えているため、決まった時間に薬を飲ませる必要があったり、お天気(気圧)の変化によっても体調を崩しがちです。そんなときは心配で仕事に集中できなかったり、会議だけ参加してあとは自宅でリモートにさせてもらうことがありました。以前のオフィスでは設備的にもスペース的にもはなを連れて行くことは難しかったのですが、今のオフィスでは、目の届くところにいつもはながいるので、安心して仕事に集中できています。犬にやさしい床材は本当に歩きやすいようで、毎朝元気に走り回りながらみんなに挨拶回りをしている姿を見て胸が熱くなっています。リモートワークを活用しつつも、やっぱり顔を合わせてコミュニケーションをとりながら仕事ができるのは良いなと感じています。
人が動物と共に生きる社会の実現に向けて
シロップは、動物が好きな人も苦手な人も、そして犬や猫も、みんなが幸せに暮らせる社会の実現を目指しています。今回完成した本社オフィスをモデルケースにしながら、ペットフレンドリーなオフィスを全国に広めていければと考えています。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひペットフレンドリーなオフィスにお越しください。社員犬たちと共にお出迎えさせていただきます。
シロップとは(会社概要)
シロップでは、飼い主さまとペットの暮らしを豊かにするペットライフメディア「ペトこと」のほか、保護犬・保護猫と飼いたい人のマッチングサイト「OMUSUBI」(お結び)などのサービスを運営しています。2019年4月には、チュートリアルの徳井義実さんをCAT(Chief Adoption, TOKUI)として迎えました。
- 会社名 :株式会社シロップ
- 代表者 :代表取締役社長 大久保 泰介
- 所在地 :東京都品川区上大崎3丁目14-1
- 採用に関して:https://www.wantedly.com/companies/syrup
メディア掲載
- ペットテックのシロップがチュートリアル徳井氏らから資金調達、ペット領域でD2Cコマースの展開も(TechCrunch)
- 「自分も何かできないか」という想いが強かった、チュートリアル徳井氏がスタートアップに出資したワケ(TechCrunch)